【目的と痛みのつながり】2016年7月15日記
目的と痛みのつながり
「ブレインジムと私」p.353〜p.356
p.353
個人相談に乗り、バランス調整を長年続けてきた中で、私には目的と痛みの間に興味深い関係があることが分かりました。
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クライアントが目標を選択するときに、まず身体的な痛みを出してきたときには、体自体の望みを知らせるのに、痛みを出して伝えてきているのだから、まず自分の体に感謝するようにすすめます。
痛みと目標が結びついていることはよくあります。
そして、私はクライアントが自分の人生の使命がわかったとたん、痛みが消え去ってしまうのを何度も見てきました。
痛みが存在する理由は可能性を含めて数え切れないほどあるのです。
なぜなら、痛みは体が私たちとコミュニケーションをとるときに使う最良の手段のひとつなのですから。
痛みが体の中を流れるエネルギーの流れを滞らせることはよくあります。
体が「あなたは適切に動いていませんよ」と言っているのです。
不幸なことに「戦うか逃げるか」の反応にはまりこんでしまった人を、私はあまりにも頻繁に目にしてきました。
「戦うか逃げるか」の反応にはまりこんでしまった人たちは、恒常性、つまり体の自己治癒力、自己回復能力を発揮できる状態に戻ることができません。
自分の目的から離れてしまって、人生が正しい方向へ進んでいないために、エネルギーの流れが滞ってしまうと、体は助けを求めて悲鳴をあげます。
体は言葉を話すことはできません。体の言語は感覚であり、痛みは体からのメッセージのひとつなのです。
この観点から見ると、痛みは私たちの友人だと言えるのです。
しばしば、目標設定を中心として進められるバランス調整のプロセスにおいて、クライアントは、その速度を落とし、安全であると感じながら、自分の体が発しているメッセージを受け取り、選り分けるチャンスがあります。
そしてバランス調整することで、「戦うか逃げるか」の状態から、自律神経系が働き正常な状態に戻り、そこから幸せな副産物が生まれることがよくあります。
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自律神経系には2つな主要な神経系の機能があります。
それは交感神経系と呼ばれる覚醒機能と、副交感神経系と呼ばれる鎮静・回復機能です。
かつてドイツで開催したクラスに参加したドイツ人の医者が、「ブレインジムをひと言で表現できる言葉がある。それは『効果的』という言葉だ」とコメントしてくれました。
彼は、患者が副交感神経系と交感神経系とのバランスがとれている正常な状態を取り戻す方法を見つけるだけで、患者の多くは回復すると信じていると説明してくれました。
彼は自分の考えるバランスにとって、教育キネシオロジーのプロセスと私たちの脳幹と前頭葉の関係に関連する経験的な理解は重要な手がかりを与えてくれるものとして見ていました。
私は交感神経系をローギアの状態と説明しています。
この状態にあるときには、私たちはもっと力を込めてがんばることが求めてられているのです。
また、私は副交感神経系をハイギアの状態だと説明しています。ハイギアの状態にあると、日々の動きに勢いが出て、前後のつながりがわかるのです。
これを理解するには、自律神経系が不随意運動と呼ばれる体の活動、たとえば、心臓の鼓動、血液循環、呼吸、血圧、排泄、性的反応、アドレナリンの分泌、消化、新陳代謝などのようなものをつかさどっていることを覚えておくことが役に立つでしょう。
創造的な試みや、あるいは何か身体的な仕事に関わっていて、何かを習得したとか成功したと感じるとき、
体内では、エンドルフィンとして知られている、痛みを取り除き、喜びを高めるホルモンが自然に分泌しています。そして、体がリラックスしていくと、エンドルフィンの自然な分泌は増加していきます。
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私たちは、自分が全体を通しの一部、神聖なるものの一部、そして神のごとく崇高なものの一部であるという認識を持って人生を送り始めると、痛みが消えるということがよくあります。
クライアントが痛みを消し去ってしまうほど、自分の人生に対して興奮している姿を、私はいつもワクワクしながら見ています。
そしてクライアントが本当に自分に喜びをもたらしてくれるものとつながったときに、痛みが喜びへと、がらりと変わっていくのを目にすることもあるのです。
充実した人生を送っているときには、ガンでさえ小康状態になることがあるのです。
なぜなら、腫瘍もエネルギーが滞っていることを私たちに教えてくれる、体のメッセージのひとつなのですから。
すべてはエネルギーだと覚えておくことは役に立ちます。
エネルギーの振動が人生のリズムと協調しなくなったら、私たちは、死に向かい始めるのです。